老後に2000万円必要だと今さら言われてやるべきこと・やってはいけないこと
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金融庁の発表した老後に2000万円の資金が不足するというレポートに関する報道が大炎上しましたね。
2000万円という大金をいきなり作ろうと思っても無理な話。
この老後資金2000万円不足問題に対して、やるべきこととやってはいけないことをまとめていきたいと思います。
目次(読みたいところへジャンプ!)
老後資金2000万円が不足するという報告が大炎上
ファイナンシャルプランナーとして、「年金だけで生活できる人は少数なので、老後までにある程度の資産を作り上げておきましょう」という内容のコラムを、伝え方や切り口、資産形成の方法をあれこれと変えて何年も書き続けてきました。
ネットでも雑誌でもTVでも、多くのメディアでFPや経済評論家が繰り返し話してきたことなのですが…伝わってほしかった層には、まるで届いていなかったということですよね。反省しかないです。
それが今回、国会で取り上げられ、お金についてあまり考えてこなかった層の人達まで届いたことで、よく燃えているのかもしれません。
「今さら2000万円必要だって言われたってお金なんか無い!」
「教育費が重たくて毎日の生活がギリギリなのに2000万円なんて大金が貯金できない!」
「100歳まで年金だけで生きていけるのは嘘だったのかー!年金返せ!」
今回の麻生さんの発言も、金融庁のレポートも、どこも間違ってはいませんし、悪いことも言っていません。(態度が悪かったから正しく伝わらなかったのかもしれませんね。)
大人なら、一度このレポートに目を通しておくべきだと思います。
ただ、レポートのすべてを鵜呑みにしろと言っているわけではありません。
あくまでも、自分自身の生き方を決める1つの例(データ)として、参考にするだけで十分なのです。
引用元:金融庁 金融審議会「高齢社会における資産形成・管理」報告書
老後資金2000万円は本当に必要か?
今回のレポートの老後資金2000万円の根拠をわかりやすく整理してみましょう。
家庭によっては2000万円も必要ないケースも
この平均値から算出された2000万円という数字を一度は疑ってかかった方がいいですよね。だって、ざっくりとし過ぎですから。
- 収入の平均額およそ21万円だけど、わが家の場合は?
- 支出の平均額およそ26万円だけど、わが家の場合は?
- 5万円の赤字は本当なのか?
- そもそも30年間分も必要なのか?
自営業or会社員・専業主婦or共働きによってもらえる年金額に差が
老後にもらえる年金は、家庭によってかなり差が出るところです。
特に、国民年金だけの自営業夫婦と年収高めの共働き世帯では、将来もらえる年金額が倍以上違います。
将来もらえる年金額はあてにならないとかいろんな意見があるかもしれませんが、はっきりとしない金額で算出しても意味が無いので、とりあえず、現状の年金額で算出してみましょう。
- 自営業夫婦:約13万円
- 共働き夫婦:約30万円(合算年収1200万円の場合)
年収高めの会社員家庭であれば、月5万円の赤字が発生しないだけの年金額が受け取れるのです。
一方、自営業夫婦の場合は、基礎年金だけの額になるので13万円。2人が暮らしていくのはかなり厳しめな年金額になります。
現在の高齢者は経済的に豊かな世帯が多め
もう一つの視点から見てみましょう。毎月5万円の赤字について。
現在の高齢者世帯は、バブル経験済みで資産を大きく増やし、経済的に余裕のある家庭が比較的多めです。
日本の家計金融資産のおよそ3分の2は60歳以上の世帯が保有している状況や、60歳以上の平均金融資産額が2500万円で、さらに金融資産が4000万円以上の世帯が18.2%と最多になっている事実があります。
多くの高齢者世帯は、月5万円ずつ貯蓄を切り崩して使っても問題がない世帯である可能性も高いと思いませんか?(数値は家計調査H26年より引用)
毎月5万円赤字で苦しいというイメージではなく、毎月5万円プラスしても大丈夫という家庭が多いイメージです。
そう考えるだけで、ずいぶん印象が変わってきますよね。
それに、苦しい現役世代から言わせてもらうと、住宅ローンも返済済で教育費も終わった後に26万円の支出って高すぎません???現役でもそんなに使えてませんよ(´;ω;`)すみません、ただの愚痴です。
30年分も老後資産を貯める必要があるとは限らない
現在の高齢者は、元気でスマート。
レポートにもこのように書かれています。
2016年においては、65歳から69歳の男性の55%、女性の34%が働いており、これらの比率は世界でも格段に高い水準となっている。
思考レベルも高い。現在60歳から69歳でインターネットを使っている人は全体の4分の3にのぼるほか、OECDの調査によれば60歳から65歳の日本人の数的思考力や読解力のテストのスコアは OECD諸国の45歳から49歳の平均値と同じ水準となっている。
65歳以上でも働き続けられる健康と知的レベルを持ち、社会で活躍し続けている先輩たち。
レポートに掛かれたこの文章を読んで、私はますます明るい未来像を描くことができました。
老後資金2000万円不足と聞いてやるべきこと
- 確定拠出年金(企業型DC/iDeCo)をする
- 少額の積立投資信託を続ける
- お金の基礎知識を身につける(FP3級相当)
- 生活をミニマムにしていく
元気で70歳まで働き続けることができる高齢者が増えている一方、病気や災難は突然襲い掛かるものです。
動けるうちから一日でも早く老後に向けた対策を取ることで、「もしものことがあってもまぁなんとかなる」という安心がついてきます。
どうせ老後資産を貯蓄するなら、iDeCoや確定拠出年金で貯めた方が節税効果があり、支払う所得税と住民税額が少なくなります。
投資をやらなくてもいいけれど、「コツコツ買ってた株や投資信託が2倍になった」なんて話を将来耳にしたら、自分もやっておけばよかったなんてタラレバ話を未練がましくしたくなりませんか?
月500円ずつでも積立投資信託を買っていればよかった
つみたてNISAをしていればよかった
iDeCoをめんどくさがってしなかったのを後悔している
20年後30年後に、こんな風にクヨクヨしないメンタルの方なら、投資をしなくていいと思います。
あと、ミニマリストは不況にも老後にも強いですよw
ミニマリスト最強!
支出額をミニマムにしていく努力を今からがんばっていきましょう。私もがんばります。
老後資金2000万円不足と聞いてやってはいけないこと
- 営業の言うなりに金融商品を購入する(=投資をする)
- 営業の言うなりに不動産を購入する
- 一度に多額の投資信託や株を購入する
- 結果につながらないセミナーにお金を使い続ける
- 物を溜め込む
将来に不安があると、どうしても日本人は一攫千金を狙う人が増えます。
宵越しの金を持たないギャンブラー体質の日本人はなんだかんだ多いんですよね。
だから、投資詐欺や高額セミナーの被害に遭う人が後を絶たない。
努力も資産形成もコツコツ継続していく人には敵いません。
努力を惜しまず、一歩一歩、老後に向けて積み上げていきたいですよね。