I, Daniel Blake「わたしは、ダニエル・ブレイク」鑑賞レビュー

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アマゾンプライムで見放題対象になっていたので、気になっていた映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」をやっと鑑賞しました。

この映画は、カンヌ映画祭の最高賞であるパルムドール賞を受賞した作品だったので、ずっと気になっていたのですが、なかなか見ることに踏み切れない自分がいたのです。

それは、この映画がフィクションとは思えない現実が日本にもあるから。

目次(読みたいところへジャンプ!)

    映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」について

    映画界からの引退を表明していた、イギリスを代表する巨匠ケン・ローチ監督。しかし、現在のイギリス、そして世界中で拡大しつつある格差や貧困にあえぐ人々を目の当たりにし、今どうしても伝えたい物語として引退を撤回してまで制作されたのが本作『わたしは、ダニエル・ブレイク』である。

    複雑な制度に翻弄され、人としての尊厳を踏みにじられ貧困に苦しみながらも、助け合い生きていこうとするダニエルとケイティ親子との心の交流が世界中を感動と涙で包み込み、カンヌ国際映画祭では、見事、『麦の穂をゆらす風』に続く2度目のパルムドールを受賞した。労働者や社会的弱者に寄り添い、彼らを取り巻く厳しい現実と、それでも今日を懸命に生きようとする人間たちを描き続けてきたケン・ローチ監督の集大成であり最高傑作との声が相次いでいる。

    「わたしは、ダニエルブレイク」公式サイトより

    日本では、2017年3月に公開されたイギリスの映画です。

    映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」詳細

    監督 ケン・ローチ
    脚本 ポール・ラヴァティ
    出演 デイヴ・ジョーンズ: ダニエル・ブレイク役
    ヘイリー・スクワイワーズ: ケイティ役
    ケマ・シカズウェ: チャイナ役
    ケイト・ラッター: アン役
    シャロン・パーシ: シェイラ役

    ケン・ローチ監督のこの映画を撮った理由は「怒り」。

    生きるためにもがき苦しむ人々の普遍的な話を作りたいと思いました。死に物狂いて助けを求めている人々に国家がどれほどの関心を持っているか、いかに官僚的な手続きを利用しているか。そこには明らかな残忍性が見て取れます。これに対する怒りが、本作を作るモチベーションとなりました。

    「わたしは、ダニエル・ブレイク」公式サイトより

    監督のこの言葉が全てを表しているのだと感じました。
    あまりにも、政治が、行政が「残忍」であると。

    子育てをしてきた親なら、心無い言葉を投げつけられたこと、不誠実な態度を受けたこと、たらい回しにされたことなど、お役所仕事に振り回された経験は数えきれないのではないでしょうか。

    この映画に出てくるシングルマザーのケイティは、明日の自分かもしれない。ダニエル・ブレイクは5年後の私かもしれない。

    昨日、この映画を鑑賞してから、あまりにも心がザワザワしてしまってレビュー記事すら書けず、一晩たって今書いているうちにも涙が溢れてきてしまうほど。

    この涙は、悔し涙です。
    悔しくて、悔しくてたまらない。

    こんな世の中にしてしまった私達大人の罪に
    少しも変えられない自分の弱さに

    ここまで心を突き動かされる映画とはなかなか出会えません。
    それでも、「今までに鑑賞した映画ベスト10に入るか?」というと、難しいのですよ。

    その理由は、テーマがあまりにも、あまりにも重いから。
    エンターテイメントの枠に混ぜてはいけない気がするのですよ。

    楽しくない映画です。
    それでも、多くの人に見てほしい映画でもあります。

    人の尊厳は仕事をしているかどうかで決まるものではない

    この映画を見て感じた感想は2つ。

    一つ目は、人の尊厳は仕事をしているかどうかで決まるものではないということ。

    主人公のダニエルは病気で仕事をすることができなくなってしまったけれど、手に職を持っていたし、役所で困っているところを目にしたシングルマザーのケイティに温かく接してくれるし、妻の介護も献身的にやり遂げ、愛情溢れたすばらしい人です。

    働けなくなってしまった時でも安心して暮らせるような仕組みを整えるのが、福祉とか政治なんじゃないのか。
    エグいほど徴収されている税金・年金・健康保険料は、一体どこに消えてるんだろうか。

    もう1つは、心のない対応しかできない仕事をしている人なんて全てロボットとAIに代替してしまえばいいのにっていう気持ち。

    マニュアル通りにしか仕事ができないなら、IBMのワトソンくんでもよくない?もしくは、ペッパーくんでもいいわ。どっちもプログラム組めるから仕事発注してくれてもいいよ。

    まともに仕事してないのに、なんであんなに偉そうなんだろうね、一部の政治家や公務員の人たち。不思議でしかたない。

    次の作品は「家族を想う時」

    昨年末に日本で公開された「家族を想う時」では、保障もなく困窮するフリーランスという新たな問題を扱っています。

    この映画、見に行きたかったのですが、モタモタしているうちに繁忙期に突入してコロナ騒動が起きて、見れず仕舞い。レンタル動画配信が開始されたらすぐにでも見たい映画ナンバーワンだったりします。

    ケン・ローチ監督、もう80代なんですって。
    「高齢者」なんてとてもカテゴライズできない。溢れるこの熱量、思い、感性。

    元気のある時に、ぜひケン・ローチ作品に触れてみてください。

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