国立大といっても東京藝術大学の入学時納入金は高額なので注意

子どもに美大に行きたいと言われたら

いよいよ東京藝術大学の美術学部の最終合格発表日が明日になりましたね。
2日または3日間という長時間の2次試験を乗り越えた受験生のみなさん、本当に、本当にお疲れさまでした。

今回の記事では、合格発表後に慌てることのないよう、藝大のお金に関する話をしたいと思います。

国立大学の入学金や入学時納入金は一律ではない

国立大学の入学検定料・入学金・授業料は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」で定められています。

授業料入学金検定料
大学の学部535,800円282,000円17,000円
授業料、入学料及び検定料の標準額

でもね、あくまでも『標準額』が決められているだけで、実際の金額は各大学が決定するルールなのです。
標準額の20%UPまでは許されています。

国立大学法人は、国立大学及び国立大学に附属して設置される学校の授業料の年額、入学料又は入学等に係る検定料を定めようとする場合において、特別の事情があるときは、第二条第一項若しくは第三項、第三条第二項又は第四条の規定にかかわらず、これらに規定する額にそれぞれ百分の百二十を乗じて得た額を超えない範囲内において、これらを定めることができる。

>>>国立大学等の授業料その他の費用に関する省令

実際の国立大学の入学金と年額授業料を比較したのが下の表です。

大学入学金授業料
東京藝術大学(美術学部)338,400円642,960円
東京学芸大学282,000円535,800円
東京工業大学282,000円635,400円
東京大学282,000円535,800円
横浜国立大学282,000円535,800円

学芸大、東大や横国は省令で定められた標準額そのままの金額ですが、藝大や東工大は上限範囲内で独自の金額に設定されています。

藝大は、入学金も授業料も上限値の1.2倍ギリギリに設定されております…標準額の国立大と比較するとお高い。

藝大の入学までにかかる費用内訳

入学金の他にも、入学手続き時に請求される代金がいろいろあるんです。2021年度入学の場合、約60万円が必要です。

入学料338,400円
保険料4,660円
厚生補導助成金30,000円
杜の会会費40,000円
古美術研究旅行積立金90,000円
キャンバス環境整備支援会会費100,000円
東北写生旅行費用(日本画のみ)(85,000)円
入学手続時支払必要額(日本画科)603,060(688,060)円

これだけでは終わりません。
そうです、美大は教材費が高い…それは国立大だったとしても。

日本画約50,000円
油画200,000円
彫刻290,000円
工芸200,000円
デザイン250,000円
建築140,000円
先端藝術表現260,000円
芸術学 45,000円
入学までに必要な教材費一覧

藝大のデザイン学科の場合、入学までに必要な金額は853,060円になります。
結構な金額ですよね。

うちの子もそうでしたが、お金の話は遠慮してなかなか切り出してくれないので、親の方から積極的に情報収集をして安心させてあげてください。受験料とかも節約しようとするんですよ、親思いの子ほど。でも、直前に話されると親の立場としては衝撃が大きすぎる。

一昔前までは、「藝大は私立美大の半分の学費だから、3浪までは経済的に許される」なんて言われたりしてましたけど、予備校の学費も年間100万円ほどかかるので、現状だと2浪までが同等の費用負担になるのではないでしょうか。浪人中の2年間で稼げた年収という機会損失額は、計算に入れないでの比較になってしまうんですけどね。まぁ、藝大を卒業した後に稼ぎ出す年収は予測不可能な気もしますし、野暮なのかも。

私たちの親世代や政治家は国立大学の授業料がこんなにも値上げされてる現状を知っているのか、甚だ疑問です。

教育費の負担重すぎる・・・高齢者の健康保険負担も重すぎる・・・

押し潰されないよう、ほどほどにがんばっていこうね、40代のみんな。

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